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知り合いのような、知り合いじゃないような‥‥‥視力はいまいちなので遠目からは顔が見えず、判断は出来なかったが、そいつが着ている制服は間違いなくウチの制服だった。
「‥‥‥分かったよ」
が、だからといって助けるか。といったらそうではないし、喧嘩なんてのはどんな理由であれ極力避けたい。
そんなしたら一大事だからな。絶対に騒ぎになる。
「だよなぁ~。いくらカワイ子ちゃんがカツ上げされてるからって、痛いのはやだもんなぁ」
俯いてるからそいつがカワイ子ちゃんかどうかは分からんが‥‥‥‥まあいい、人の性癖にとやかく言う筋合いも無い。
なんならカツ上げついでに告白でもしてみたらどうだヤッチャン?まあ、振られるだろうな。色んなことが要因で。
とはやっぱり言わずに、俺は無言のまま、歩みを再開する。
それを了承したと捕らえたのだろう。ヤッチャンも俺の進路上からゆっくりと逸れた。
「んじゃ、続きと行きますか。カワイ子ちゃんをいたぶるのなんて経験滅多に出来ないし、気合入っちゃうなぁ」
ヤッチャンはそのカワイ子ちゃんに向き直ると、ブンブンと勢いよく腕を回す。
その腕は明らかに俺の進路を妨害していた。が、少し俺が避ければ問題ない。
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