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「あ、ありがとっ」
篠宮はその華細い小さな手で力なく俺の手に掴まると、ゆっくりと腰を上げた。
確かに。こいつ ならば不良のヤッチャンがカワイ子ちゃんと言うのも納得できる。
透き通るような肌、さらさらのショートカットの髪、くりくりと大きな瞳、艶のある唇、そしてしまいには美形からの
「かっこよかったよ。神田君」
上目目線のとっびきりの笑顔。世の中の男ならこのシュチュエーションを血の涙を流して喜ぶだろう。まあもっとも‥‥‥
「けっ、男にそんなこと言われても嬉かねーよっ」
こいつが“女”だったらな。
一部のマニアさんには断っておくが、俺にはそんな趣味はないし、そんな思考に目覚める気は毛頭無い。
それに、仮に襲われているのが女だったとしても喧嘩なんかしなかったさ。
この買ったばっかりの最新モデルのランニングシューズを踏まれなければあああぁぁぁああ思い出したらまた腹立ってきたっ胸糞悪いっ!!
「‥‥‥‥なあ、篠宮。こんな屑たちでも奴隷船に持ってけば買い取ってくれるかな?」
「はは、勘弁してあげなよ。もうすでにカツ上げしようとしてカツ上げされちゃった可哀想な人たちなんだからさ」
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