幸せだった過去

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「ネルア!!おはよ!!」 大きな声で毎日挨拶してくる私の大事なお兄ちゃん。 「ネルアのご飯は美味しいね!!」 私の料理を毎日残さず食べてくれる優しいお兄ちゃん。 「今日は最高位魔法を全属性使えるようになったよ!!これで僕も少しは強くなれたかなぁ?」 誰よりも強い私のお兄ちゃん。 お兄ちゃんが居てくれるだけで私は幸せだった。 私は両魔眼を持っていて。魔力も上手く扱えないから目の色も変えられないし、だからいつも虐められていた。 でも私には世界で一番強いお兄ちゃんが側に居てくれたから 誰よりも心強かった。 ママとパパは私を産んですぐいなくなっちゃったみたい。 多分私が両魔眼という化け物だったからだと思う。 両魔眼なんてどんなに本を読んでも見つからないし、きっと産まれてきちゃ駄目だったんだよね。 「ネルアが居てくれて僕は幸せだよ」 この一言が私を救ってくれる。私を必要としてくれる人がいる。 私がお兄ちゃんを守るんだ。私がお兄ちゃんと幸せになる為に…… でもそんな幸せはすぐ消え去った。 これも私達に魔眼があったからだ。
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