1

11/72
前へ
/363ページ
次へ
「御前の兄貴、めっちゃエロかった。くれ」 「誰がケダモノの元へ子羊を差し出すかよ。ああ見えて兄貴は繊細なんだ」 「ぜってぇ嘘だろ、どっちかって言うと肉食動物だったぞ。咲夜くん、俺みたいな男は嫌いか?って」 兄貴ぃいいいいい!何言ってんだよ、好きに決まってんだろ馬鹿! 「ってか、見学しに行く講義決まった?」 「ああ、一応…天文学とか統計とか…」 「天文学って、あの綺麗な先生いる所じゃね?大人の色気醸し出しまくりの」 はっ…!といきなり何に気付いたのか、彼は口角を上げて見せた。 「まさか、その人に釣られたとか…。結構タイプだろ、ああ言う人」 くっそ、痛いとこついてきやがる。コイツ…勘だけは良いもんな。 つか、タイプとか話した事ねぇし好きになった人とかいないんで、デマ言わないで貰えますか?咲夜君。 「俺の拳が飛ぶぞ、お前の溝にな」 「すみません、勘弁してください。ほんっと何でもしますから、宿題もちゃんとやるから!!何十人も泣かせてきた、その右の拳だけは...!!」 ヤバイ、めっちゃうるせぇ。 呆れながら溜息を吐いた俺の後ろを見る咲也が、アイコンタクトやら身振り手振りやらで後ろにいる物、あるいは人を表そうとしているんだが。 渋々と振り返ると、朝から色気をだだ漏れにさせた佐伯教授が立っていた。 「あ…どうも、おはようございます」
/363ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3376人が本棚に入れています
本棚に追加