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「御前の兄貴、めっちゃエロかった。くれ」
「誰がケダモノの元へ子羊を差し出すかよ。ああ見えて兄貴は繊細なんだ」
「ぜってぇ嘘だろ、どっちかって言うと肉食動物だったぞ。咲夜くん、俺みたいな男は嫌いか?って」
兄貴ぃいいいいい!何言ってんだよ、好きに決まってんだろ馬鹿!
「ってか、見学しに行く講義決まった?」
「ああ、一応…天文学とか統計とか…」
「天文学って、あの綺麗な先生いる所じゃね?大人の色気醸し出しまくりの」
はっ…!といきなり何に気付いたのか、彼は口角を上げて見せた。
「まさか、その人に釣られたとか…。結構タイプだろ、ああ言う人」
くっそ、痛いとこついてきやがる。コイツ…勘だけは良いもんな。
つか、タイプとか話した事ねぇし好きになった人とかいないんで、デマ言わないで貰えますか?咲夜君。
「俺の拳が飛ぶぞ、お前の溝にな」
「すみません、勘弁してください。ほんっと何でもしますから、宿題もちゃんとやるから!!何十人も泣かせてきた、その右の拳だけは...!!」
ヤバイ、めっちゃうるせぇ。
呆れながら溜息を吐いた俺の後ろを見る咲也が、アイコンタクトやら身振り手振りやらで後ろにいる物、あるいは人を表そうとしているんだが。
渋々と振り返ると、朝から色気をだだ漏れにさせた佐伯教授が立っていた。
「あ…どうも、おはようございます」
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