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そんな他愛も無い会話から早2週間がたった。
大学の生活や、寮生活にも慣れつつあるし、人見知りの俺でも咲夜以外の友達も出来た。
ただ一つ、未だに慣れないのは教授の講義だ。
「…高下、気が弛んでいるのか?どうせ頭の中に内容は入ってないだろう、帰ってもよかったんだぞ」
「…すみません」
あんたの声、なんでそんなにセクシーなんだよ。どこまで色気あれば済むんだよ…!
改めて神様は不公平だと思った。俺もあんな声だったら、彼女とかいたかな、ってそんなわけねぇか。
集中出来てないのは確かだが、何故こうも集中できないんだ?
飲み会の時以来優しくしてくれない教授に話かけても「すまない忙しい」「私は忙しい」しか言わない事が原因か。
てか忙し過ぎだろ。
「…まあいい。高下…この後、私の部屋まで教材を持ってくる様に。」
雑用まで任せられちゃいました。
講義が終わった後、めちゃくちゃ重い段ボール二箱を教授の部屋まで運ぶ。
手伝ってくれる輩は誰1人としておらず「じゃ!頑張れよ!」って、この血も涙もない獣どもめ!!
何とかドアノブを回して足で扉を開けた俺に、彼は文句を投げ付けた。
「ノックぐらいしろよ、今着替えようとしてたんだぞ」
「どうぞ御構い無く着替えて下さい」
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