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憧れの彼から研究室のスペアキーを貰った事で、かなりテンションが上がった俺はいつも以上にカフェでのバイトに専念出来た。 20時30分。 シックな時計の秒針が時を刻む。 こんなに遅くまでいるのは何ヶ月振りだろうか。 いつもは16時から19時30分とか、結構早い時間だったのに。 流石にこの時間にもなれば、店内には誰1人として人がいない。 いるのは、俺とマスターだけだった。 「大和君、お疲れ様。あと30分あるけど、もう上がっていいよ。きっと人来ないだろうし、後は俺に任せて」 「いやいや、マスターに働かせてどうするんですか。あ、ほら!お客さん来ましたよ」 カランカラン ドアにぶら下がるベルが心地よい音をたてる。 「いらっしゃいま...せ!?」 「...あ、君ここでバイトしてたのか」 そこに立っていたのは、紛れもない佐伯教授でした。 いつも、きちんと着こなしている筈のスーツだったが、今はネクタイを外しボタンなんかも開けている。 「佐伯さん!いつも有難うございます。珈琲飲んで行かれます?」 「いや、今日は持ち帰るよ。あ、いつものね。大和くん、もう上がるなら一緒に帰ろう。送ってく」 「そんな、いいですよ。別に寮が遠いわけでもないし...」 「だめ、送ってく。襲われるかもしれないだろ」 そう言って、俺の前まで歩み寄る教授が腰に巻いたエプロンを引っ張った。 「ちょ、まだ帰るって言ってない...!しかも、俺に限って襲われるとか!そもそも男だし」 何だか強引な教授は、エプロンを剥ぎ取るだけでなく制服のワイシャツまで脱がそうとする始末。 「ちょっと教授!佐伯教授!!なに、どうしたんだよ...!」 「マスター、この子上がらせてもいいでしょ?」 「いいですよ、気を付けて帰ってね大和君」
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