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中学に上がってから、どうも周りの環境に慣れなかった俺は、他の人より一歩ずれた道を進んでいたらしい。 所謂、ヤンキーとか言う奴だ。 綺麗過ぎる兄もいた為、ソイツに悪い虫がくっつかないよう勝手に排除すると共に自分のストレスをも発散させていた。 勿論勉強はしてない。 そんな俺でも高校に行ったら少しは勉強するようになって、ギリギリ大学に合格。 桜が舞い上がる中、つい先程入学式という謎の儀式を終えてきた所で現に至る。 「くしゅ…っ」 花粉症には辛すぎる春。 目は痒いし鼻はむずむずするし、虫はコンニチワってするから…春はあまり好きじゃない。 鞄をあさり、携帯を探す。 どうせなら、兄貴に迎え来て貰いたいじゃん? しかし、だ。どこを触っても硬い無機質な物体には触れない。 ちょっとした焦りを感じて鞄の中へと視線を落とした。 .....................無い。 最近の物騒な御時世。携帯から情報を抜き取るのなんて簡単だし、第二のお財布みたいになってるから早く見つけないと厄介になる。 高下大和【タカシタヤマト】18歳、人生最大のピンチの予感。
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