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咲夜と朝食を済ませた後、鞄を持って寮を出た。 せっかくスペアキー貰ったんだし、研究室の掃除でもしてやろう。 昨日マスターに渡された紙袋には、店で使ってる珈琲豆が大量に入っていた。 教授、あそこの珈琲好きみたいだし喜ぶんじゃね? 大学へ行く途中に、珈琲にあいそうなクッキーを買う。 いやいやいやいや、お茶会しようなんて考えてないから!! 人数の少ない校内に入り、研究室に直行する。 鍵を開けると、当然の事ながら研究室には誰一人として人はいなかった。 ロッカーから掃除機を取り出し部屋全体にかけた後、手の届く限り雑巾で汚れを拭き取る。 窓を開けて室内の空気を入れ替えただけでも、かなり気持ちいい。 ふかふかのソファに腰をかけ、貰った珈琲豆を挽く。 と言っても、電動で挽くミルがやってくれるのだが。 音をたてながら豆を挽くミルをボーッと見ていると背後でドアが開いた。 「.........」 「あ、佐伯教授。すみません勝手に入らせて頂きました」 眠そうに俺を見詰める彼は、手でOKのサインをした後「いい香り」と呟いた。 「でしょ!昨日マスターがくれたんですよ、店で使ってる珈琲豆。今挽いてるんで、まってて下さ...!?」 「大和、朝シャワー浴びてきたの?いい匂いするね...」 ぎゅうっと抱き寄せ、髪に鼻を寄せる彼が甘い声色で囁く。 「あの教授、俺じゃなくて珈琲豆見てくださいよ」
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