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男の俺が、かわいい?
「...それはちょっと、理解し難い発言ですね」
「ふふ、どうして?俺の目には小動物に写るんだけど」
あー、小動物か。なら仕方ない...って馬鹿!!
クッキーの袋を取り出し教授に手渡した俺は、恥ずかしさから目を逸らす。
その切れ長の目が魅力的過ぎて直視出来ないんだが。
「これは3時のおやつだな。気を使って貰って悪いね、ありがとう」
「いえ、明らかに俺の意思でやってるので!教授とお茶出来るなんて...嬉しいです、し...」
チラッと視線を送ると、彼と目が合う。
顔どころか身体も熱くなってきた様に感じる。
「俺も、大和君とお茶出来て嬉しい。講義なんてすっぽかしてお茶してたいくらいだ」
「それは駄目でしょ、俺が困ります!それより、さっきから気になってたんですけど...教授の一人称って「俺」でしたっけ?」
「プライベートでは俺、仕事では私って使い分けてた筈なんだけど...朝で頭働いてないんだろうな。しかも君と一緒にいるの心地いいし...」
仕事とプライベートを分けるとか、カッコ良い。
この人絶対「仕事にプライベートは持ち込まない主義だ」って、言うタイプだろ、素敵。
てかさっきから、言葉が優し過ぎね!?
可愛い、君とお茶出来て嬉しい、君と居るのが心地いい...褒めまくりじゃねぇか。照れるわ。
「お、俺も...教授と居ると落ち着きます!」
妙にドキドキする心臓に手を当てる。
「...お揃い、だな」
そう言って微笑んだ顔が、脳裏に焼き付いて剥がれなくなるのは何故だろう。
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