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ーーーーーーーーー もしかしたら梅雨に入ったのかもしれない。 そう思ってしまう程、最近は雨ばかりを見ている様な気がする。 大学のテラスにひとりぼっちでいるのは先程の光景がフラッシュバックするからであろうか。 普段クールで、極一部の生徒からサイボーグとまで呼ばれる教授が女性と親し気に話している姿は、どの生徒が見ても驚きだったであろう。 しかも、隣の子は目を疑う程の美人。 正直言えば、お似合いだった。 今まで触れたことなかったけど、教授にも特定の女性がいるんだろうな。 あんなに紳士で綺麗な人だ、いない方がおかしい。 ああ言ったクールな所に惹かれるって言う女性もかなり多いと思うし...。 考えれば考える程、憧れの佐伯教授が遠ざかって行く様に感じる。 現に今遠ざかっているのでは無いだろうか。そう思うと、胸が痛んだ。 口から零れるのはため息ばかりだったが、そのため息も雨の音に溶け込んで行く。 やる気が起きなくて新しく入れたレストランのバイトを休んでしまおうか、なんて考えが過る。 しかし休める筈も無く、頭を切り替えてからバイト先へと足を動かした。 着くなり制服に着替えオーダーを取り始める俺に、まさかの出来事が起こる。 入店した二組みのカップルを見て目を疑った。 教授と今日大学に来ていた女性だ。 ちょっと、これは変な意味で運命を感じてしまうんだが...。 そもそも今の俺には辛い現実。 仲良さそうに笑い合う姿なんか見ていられなかった。 たかが憧れ、されど憧れ。 少しばかり舞い上がっていたのかもしれない。 周りにはクールな対応をする教授が俺だけに優しくしてくれる、なんてそんな馬鹿な思い込みをしていたんだ。
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