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「ただいま。なんでここに寝てんの…?」
「部屋に黒光りしているカブトムシに似た奴が出たんだ、安心して眠れないだろ?だから、ここで寝てた。今夜お兄様はここで寝るから、御前は俺の部屋で寝てくれ」
どういうことなの。
色っぽい顔してて、ムカつくんだけど。
ベッドに潜り込み、兄貴を抱き締めると彼は眉間に皺を刻んだ。
「なんだよ」
「俺も一緒に寝る。兄貴のこと好き」
「雄犬みたいに発情したら、追い出す。無論雌犬も一緒な」
「すぐ追い出されそう。」
腕の中にすっぽり収まる兄貴は、溜息を吐いた。
「どうだった?大学」
「別に普通。あ、でも凄い綺麗な先生いた。こうさ…大人の色気醸し出しまくりの」
「最高の女じゃねぇか、痺れるな」
「うん…………男だ」
そのまま何も喋らなくなった彼の頭を撫でて数分。口を開いたかと思えば
「御前、早く彼女作れよ」
とリアルに口出しされて泣きそうになった。
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