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「いいもん、兄貴いるし。兄貴の事好きだし」 「俺は御前の腕ん中からいついなくなるか分からないぜ?首輪でも付けとくんだな、俺に」 本当、コイツ嫌な男だよな。 線が細く見えるが、中身はこんな肉食系。 これが、俗に言う煽り、と言う奴であろうか。 「兄貴には敵わねーよ。どうやったら、あんたみたいに大人っぽくなれる?」 「そりゃ御前…」 むくりと身体を起こし、真剣な目をする彼に思わず喉が鳴る。 こんなくそ真面目に話してくれるなら早く聞いとくんだった。 「セックスに決まってんだろ」 もう嫌だ。 「女を喜ばせて初めて大人に近づくんだぞ?御前は、俺の弟なんだ…良い男なのは間違いないよ」 確かに。 俺も少しくらい女にモテていい筈なんだけどな、こんなに兄が綺麗なんだし。 「早く作れっていったけど、焦る必要はねぇよ。お前のペースでゆっくりいけばいい。もし貰い手がいなかったら、お兄様が貰ってあげるから」 「もう、お兄様大好き」
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