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次の日、春を感じさせる暖かさに眠気MAXな俺は、もそもそと大学へ行く準備を始める。 怠い。最高に怠い。 もともと学校で勉強するのが好きじゃない俺には義務教育は酷だった。 高校行かないと何処にも就職できないぞ、と言う父の言葉で渋々行ったのに…まさか自分が大学へも行くことになるなんて。 大学行きたいっつった時の親父は顔面蒼白だったな。 「大和、早く飯食え。遅れるぞ…」 「おう……兄貴、今日も一段と綺麗だよ」 そう言って褒めたが、うるせーと汚い言葉を浴びせられると共に椅子に座らされた。 食パンを食べる俺の髪をワックスで整えた兄貴は、ため息を吐いて隣に腰かける。 「楽しんで来いよ、大学生活1日目。興味のある講義だけ取っとけ」 「りょーかい、兄貴もお仕事頑張ってね」 「ん…サンキュ…」 綺麗に笑う兄へ投げキスをすると、何事も無かったかのように新聞を読み始めた。 普通に冷たくて泣きそうになる。 テーブルの下からはみ出た長い脚を組む姿も、なかなかカッコいい。 これで勉強出来てスポーツも並々でって、かなり自慢の兄ではある。綺麗だし、カッコいいしね。 しかし、玄関に飾られた不気味な絵は兄が描いたと思いたくない程の酷さだ。 家を出る前に、この絵が視界に入ると朝からテンションは急降下である。
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