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「全く・・・・なんで私だけお守りの効果がない・ツイてないのぉー・・・」
ぶつぶつと独り言を言いながら町全体が見下ろせる裏山の一本杉の下にしゃがみながら、呟いた
・・・・・でも、いくらなんでも、ここまでツイてないのはありえない。
人間は、生まれながら守護霊がいる。らしい。
守護霊がいる人間は危険な時に接触しても、その己の守護霊が守ってくれる為、そんなに事故に巻き込まれはしない。
では、私はどうなんだ?中学生の頃から様々な事件に巻き込まれたりしてるではないか。
つまり、この事から結論は、・・・私には、・・・守護霊が・・・い・・・・いない・・。
そういうことになる。
では、いないとなると、・・ふいにある、もうひとつの結論が出た。
そんな・・・・守護霊がいないと・・・わ、私は・・・・死ぬの?
突然、全身が震えだした。
足がすくむ。
冷や汗が止まらない。
声を出したくても、何故か出ない。
煩いセミの声に消されたのか、はたまた、出ていないのか。
すると、今度は目から水が流れ出した。
それは、拭いても拭いても止まらない涙だった。
「う・・・・・うっ・・・・うわぁぁぁんっ・・あぁぁぁぁ・・・」
私は一人でずぅと泣いていた。
『ガサッガサガサッ』
突然、右にある草むらから音がした。
直感で、私は
『何か・・・・いる!』と確信した。
涙を拭いて近くにあった枝をもって音のなった草むらに行くと、そこには
白くてもふもふしたかたまりが蹲ってた。
こちら側に背を向けているのでわからないが、人間ではないようだ。
大きく丸みを帯びた尻尾。
その形は、
「・・き・・・狐?」だった。
しかし、普通狐というものは黄色のハズだ。
白い狐をみたのは16年間生きていて初めてみた。
もう少し近くに行こうとすると、足が止まった。
その、白い狐の後ろ足から夥しい量の血が出ているからだ。
「た・・・大変!!え・・・えっと、包帯と消毒液!」
スクバから救急ポーチを取り出し、急いで止血作業に取り掛かった。
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