苦笑

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 「柏野って、本当に潤の事が好きだよね」  「え?」  突然の宇木の言葉に俺は顔をあげた。頬杖をついて真っ直ぐに俺を見ている。向かい合わせに座っているから障害物がないため真っ直ぐに見られている。なんだか恥ずかしいくらい、宇木の視線は純粋だ。  「そ…う?」  「うん」  こくんと頷く。そして、顔が迫ってきた。  「っ…!」  反射的に仰け反ると宇木は俺のノートを覗き込んでいた。  「あ、ごめん。驚かせた? ここ、計算が間違ってるよ」  「…え? あ、ホントだ…」  消しゴムで指摘された箇所を消す。宇木と俺はお互い医学部を目標としているのがわかり二年の夏休みから大学入試の為、一緒に勉強をしている。今までは早朝や放課後だけだったが三年になった今はそれに加えて今日みたいな休日も返上している。
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