苦笑

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 宇木は一年の時から学年トップの秀才。俺も進学の為、一応五番以内をキープしていたが中々順位があがらず悩んでいる時に宇木に声をかけた。それが一年の夏休み前。そして宇木と勉強する様になってからはずっと二位につけている。三年になった今もその順位に変動はない。俺も試験前にはかなりの時間を勉強にあてるが、宇木はきっとそれ以上にあてているのだろう。教え方が上手い人は勉強をするのも効率的で上手だと誰かが言っていた気がする。宇木もそうなんだろうなぁとぼんやり見ていると、  「何?」 と、首を傾げられた。この仕草がまた自然で女子にもてるもてる。潤もそうだけど俺の周りにいる奴は例外なくもてる。以前潤にそんな事を言ったら「お前だってそうだろ。駄目だぞ? あんまり愛想よくしてたら。比呂は無防備過ぎる。この間だって…」と延々小一時間ほど説教じみた事を言われた事がある。それを休憩時間に宇木に言ったら「潤は心配性だからね。柏野が他の子と仲良くしてるのを見る度にぐちぐち言ってるよ」と笑っていた。
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