苦笑

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 「……」  しつこいほど、嫌われても仕方ないほど付き纏っているのは自覚している。だけど面倒見がいい潤は断れなくて仕方なく俺と遊んでくれている。宇木が声をかけてくれたのは気を遣ってくれたからかな。俺が潤に片想いしてるの気付かれてるし。  「…の? 柏野?」  宇木に肩を叩かれ俺ははっとした。視線の先に潤の姿がない。  「潤の本を片してくるから荷物まとめといてね」  そう言い残すと宇木は辞書の様な本を数冊抱えて歩いて行った。  「……」  言われた通り荷物をまとめる。宇木はいつの間にか片し終えていた。  「なにやってんだろ俺…」  もどかしい。歯痒い。オトコがオトコに恋するのはやっぱり変なのかな。おかしいのかな。駄目なのかな。迷惑、なのかな。  だけど俺はオンナノヒトが怖い。トラウマがよみがえる。  俺はこのまま一生、誰も愛さずに死んでいくのかな。  本を片し終えた二人が戻ってきた。笑わなきゃ。笑顔を、つくらなきゃ。
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