依頼人Ⅰ

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「オレを無視するなんていい度胸だなぁ、ああ?」 ガタガタと体が震え出す。 怖い、怖い、怖い恐いこわいコワイ。 「テメェ、自分の立場分かってんのかぁ?」 ニヤリ、と不気味な笑みを浮かべて、僕の胸ぐらから手を放し、今度は髪を掴む。 「……ッ」 「偉そうに無視しやがったクセにガタガタ震えてやんのー。 キモイんだよ。 なあ、お前らもそう思うだろ?」 そう言って彼は、周りを見回す。 するとドッと教室中に笑いが起きた。 みんなが僕を笑う、嘲笑う。 誰も助けてくれない。 唯一の親友だった子でさえも、助けてはくれない。 ――どうして、僕がイジメに遭わなきゃならないんだ。
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