冷笑

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 「孝宏」  本から顔をあげると潤が俺の机に頬杖をついている。前が休み時間で空席のためその空いた椅子を跨いで座っている様だ。  「何か?」  眼鏡を押し上げ首を傾げると潤の顔が近付く。一部で女子の歓喜の声があがった。  「今日ウチに来てほしい」  「なんで?」  「とにかく頼むっ」 と、パンッと両手を合わせて頭を下げられた。  「……わかった。柏野に放課後の勉強に付き合えない事伝えてくる」  「おう。悪いな」  廊下に出ると、タイミングよく柏野が向かいからやってきた。隣を歩く男子の顔がにやにやしている。きっと潤がこの光景を見たら怒り狂うなと思いながら片手をあげると気付いた柏野が潤の苦手なふにゃん笑顔を浮かべた。俺は素直に可愛いと思うのだが。
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