忍び笑い

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 真顔で頷く潤に、俺は溜め息をついた。鈍感にもほどがある。これでは一生懸命想いを伝えている柏野がかわいそうだ。  「初めて柏野に会った時だから、あれは小三か小四の頃だよね? その時から潤、柏野の事好きだったじゃん」  「はっ」と項垂れた潤の後頭部にとどめ。  「自覚なしかよ」  「だけどっ」  ばっと顔をあげた潤に、もう一言。  「奥村さんとは違う感情だと思うよ」  「え…?」  みかんを食べ終え、俺は皿をテーブルに置いた。
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