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真顔で頷く潤に、俺は溜め息をついた。鈍感にもほどがある。これでは一生懸命想いを伝えている柏野がかわいそうだ。
「初めて柏野に会った時だから、あれは小三か小四の頃だよね? その時から潤、柏野の事好きだったじゃん」
「はっ」と項垂れた潤の後頭部にとどめ。
「自覚なしかよ」
「だけどっ」
ばっと顔をあげた潤に、もう一言。
「奥村さんとは違う感情だと思うよ」
「え…?」
みかんを食べ終え、俺は皿をテーブルに置いた。
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