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「どうしたお前?」
左之さんが屈んで猫と目を合わせるが、
「にゃーん」
鳴き声は別の方から聞こえてきた。
「まだ他にも猫を匿っていたのか?」
「いえ……この子だけです」
新ぱっつあんが七海に訊ねるが、七海は首を横に振るばかり。
「もしかして、これじゃないかな?」
振り返ると、総司が一匹の猫の首根っこを掴みながら立っていた。
「あぁそうだな……って可哀想だからその持ち方は止めろ」
「苦しそうです!!」
すると総司は渋々猫を地面に降ろした。
普段は左之さんは勿論、近藤さん以外のほぼ全員の隊士の言うことは聞き入れない天の邪鬼だけど、猫を解放したのは七海の手前だろうな。
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