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勢いよく、結衣は床を蹴って鼠を、追いかける、驚いた鼠が必死に逃げるけれど、慣れた手つきで追いかける、追いかけて、追いかけ続ける、狭い地下室をぐるぐると走り回ってヂューッと、鼠が結衣の手の中で泣き喚く、握り潰しかねない手つきで鼠を、掴み。
グチャッ……グチャッ…グチャッ…グチャッ…グチャッ…グチャッ…グチャッグチャッグチャッグチャッグチャッグチャッグチャッグチャッグチャッグチャッグチャッグチャッグチャッグチャッグチャッグチャッグチャッグチャッグチャッグチャッグチャッと、噛み砕く、鼠の小さい身体から、でろりと内蔵がはみ出し、結衣の手や口を、赤く汚す。
「お父さん、お父さん、お父さん、お父さん、お父さん、お父さん、お父さん、お父さん、お父さん、お父さん、お父さん、お父さん、お父さん、お父さん、お父さん、お父さん、お父さん、お父さん、お父さん、お父さん、お父さん、お父さん、お父さん、お父さん、お父さん、お父さん、お父さん、お父さん、お父さん、お父さん、お父さん、お父さん、お父さん、お父さん、お父さん、お父さん、お父さん、お父さん、お父さん、お父さん、お父さん、お父さん、お父さん、お父さん、お父さん、お父さん、鼠さん、美味しいよぅおー美味しいよぅおー美味しいよぅおー????」
結衣はにへらーと笑い、開かない地下室の扉に向かって言った。
「結衣、一人でもご飯食べられるんだ、お父さん、誉めて」
いつか、迎えにきてくれる、お父さんを待っている。
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