第三章

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「名前は?」 「二岡カヲルです。」 「二岡か…。早よ行け。そろそろ時間切れじゃ。」 「待って!桜花さ……。」 私の声が届く事はなかった。 「カヲルちゃん?カヲルちゃん?」 「千秋さん…。」 「良かった~。死んだかとハラハラしたよ。」 「死ぬ?」 「時に、異世界は人を喰い成長する。危ないとこだったな。」 「山城さん…桜花さんをご存知ですが?」 「桜花…。」 「チョット!カヲルちゃん来て!」 私は、千秋さんに手を引かれ連れていかれた。 「何?」 「山城さんの前で桜花って名前は禁句なんだよ。」 「何故?」 「桜花さん…は、山城さんの…異世界に喰われた奥さん何だ…。」 「…。」 「本名は、山城桜花。」 「ふーん。でも、桜花さんは、400年前に死んだ花魁の魂って言ってたけど…?」 「記憶の改善。二度と最愛の夫の山城さんを思い出さないように…。」
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