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「名前は?」
「二岡カヲルです。」
「二岡か…。早よ行け。そろそろ時間切れじゃ。」
「待って!桜花さ……。」
私の声が届く事はなかった。
「カヲルちゃん?カヲルちゃん?」
「千秋さん…。」
「良かった~。死んだかとハラハラしたよ。」
「死ぬ?」
「時に、異世界は人を喰い成長する。危ないとこだったな。」
「山城さん…桜花さんをご存知ですが?」
「桜花…。」
「チョット!カヲルちゃん来て!」
私は、千秋さんに手を引かれ連れていかれた。
「何?」
「山城さんの前で桜花って名前は禁句なんだよ。」
「何故?」
「桜花さん…は、山城さんの…異世界に喰われた奥さん何だ…。」
「…。」
「本名は、山城桜花。」
「ふーん。でも、桜花さんは、400年前に死んだ花魁の魂って言ってたけど…?」
「記憶の改善。二度と最愛の夫の山城さんを思い出さないように…。」
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