プロローグ

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私が返したところで、図書室の扉が開き、女生徒が入ってきた。 そこで私は彼に小さく頭を下げ、いつもの場所へと向かう。 彼は、今入ってきた女生徒と話を始めていた。 ――毎日、おんなじ繰り返し。 その後は最終下校時間までひたすら図書室で読書に耽り。 次の日はまた別の本を借りに誰よりも早く図書室へ向かう。 彼とも毎日話すけれど、本の話だけして、人がくれば別れるので、お互い名前はしらない。 下手したらクラスにいる男子よりも話しているのに、不思議なものだ。 彼は私の図書カードを見ているから知っているのかもしれないけど。 そんなリフレインされる毎日の中で、ある日変化が起きた。
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