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AM 10:40
終了の鐘が鳴り、
フッと力を抜く。
今日もネズミでやってみたけど、生き返らせるのは無理だった。
一瞬脈を戻すことはできるようになったけど、まだまだコツが掴めてない。
「お疲れ様です。」
隣から声がして、シアンがいたことを思い出した。
「あ、お疲れ様です。
どうでしたか?」
ずっと見られていたのかと思うと少し恥かしい。
「全然だめでした。でもこのクラスの人、集中力がすごいね。伝わってくる。とくにユウナは僕に何も感じさせないくらいすごかったよ。」
ほんわかした笑顔でサラッと褒められて、戸惑ってしまう。
でも態度には出さない。
「だんだん慣れてくると思う。
読心はどんな感覚かあまり想像出来ないけど、コツみたいなのはあると思から。」
そう言うと、シアンは少し驚いていた。
「読心のアークだってもうばれたのか。気分読み程度にしか思われないと思ってた。甘かったね。」
「まぁ、だいたいね。
ではまた次の時間で。」
シアンは何かを含んだ言いたげだったけど、そう言って席をたって、部屋に戻ろうと外に出た。
すると後ろから追いかけてくる足音。
だいたい予想はつく。
レオラスだ。
「ちょっとユウナ!待てって!」
何?と振り返る。
「あいつ、気をつけろよ。」
珍しく少し真剣な顔をして言うので、きいてみた。
「誰に?」
「新しいシアンとかいうやつ!何か変な感じがする。危険っていうか!」
いや、シアンよりも
「レオラスの方が変だけどね。」
その場で動かないレオラスにそう言ってまた部屋にむかった。
うん。でもあたしも、気にならなくはない。
何かはあるのだろう。
いきなりBからSになるくらいだから。
年齢は知られてたけど、無効果のアークのことは知らなさそうだった。
まぁ課題に集中してたから無効果でなかったかもしれないけど。
シアン・デューマス
まぁそのうち何者かはわかるか。
次はAだ。
社長室で色々と聞こう。
質問できる状況があれば。
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