1. 私の世界

11/17
前へ
/21ページ
次へ
AM 10:40 終了の鐘が鳴り、 フッと力を抜く。 今日もネズミでやってみたけど、生き返らせるのは無理だった。 一瞬脈を戻すことはできるようになったけど、まだまだコツが掴めてない。 「お疲れ様です。」 隣から声がして、シアンがいたことを思い出した。 「あ、お疲れ様です。 どうでしたか?」 ずっと見られていたのかと思うと少し恥かしい。 「全然だめでした。でもこのクラスの人、集中力がすごいね。伝わってくる。とくにユウナは僕に何も感じさせないくらいすごかったよ。」 ほんわかした笑顔でサラッと褒められて、戸惑ってしまう。 でも態度には出さない。 「だんだん慣れてくると思う。 読心はどんな感覚かあまり想像出来ないけど、コツみたいなのはあると思から。」 そう言うと、シアンは少し驚いていた。 「読心のアークだってもうばれたのか。気分読み程度にしか思われないと思ってた。甘かったね。」 「まぁ、だいたいね。 ではまた次の時間で。」 シアンは何かを含んだ言いたげだったけど、そう言って席をたって、部屋に戻ろうと外に出た。 すると後ろから追いかけてくる足音。 だいたい予想はつく。 レオラスだ。 「ちょっとユウナ!待てって!」 何?と振り返る。 「あいつ、気をつけろよ。」 珍しく少し真剣な顔をして言うので、きいてみた。 「誰に?」 「新しいシアンとかいうやつ!何か変な感じがする。危険っていうか!」 いや、シアンよりも 「レオラスの方が変だけどね。」 その場で動かないレオラスにそう言ってまた部屋にむかった。 うん。でもあたしも、気にならなくはない。 何かはあるのだろう。 いきなりBからSになるくらいだから。 年齢は知られてたけど、無効果のアークのことは知らなさそうだった。 まぁ課題に集中してたから無効果でなかったかもしれないけど。 シアン・デューマス まぁそのうち何者かはわかるか。 次はAだ。 社長室で色々と聞こう。 質問できる状況があれば。
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加