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『…ない…ないっ!なーいっ!!』
たくさんの電気店や音楽ショップに行ってもやっぱりラジカセプレーヤーなんてあるわけなかった…。
学校をサボり軽く二時間くらい街を歩いたからか流石に疲れてしまいウチは川が見えるベンチに腰掛ける。
『……はぁ~…。』
翼「きーらきーらひーかるー…♪」
『へっ!?』
いきなり聞こえた懐かしい曲…ってか隣に誰か座ったらしい。
チラッと隣を見れば少し派手な格好をした女の子が空に向かって手を翳しキラキラ星を歌っていた。
『………。』
翼「ん?」
視線に気づいたらしく空に向けていた目線をウチに向けているけど…って…あれ?
『……君よく孤侍医総合病院の病院に来るコ…。』
翼「……なんで知ってるの?」
『よく眼科の方のベンチに座ってんの見掛けたから。』
翼「そーなんだっ!!」
細めていた目を開いてニコッと笑う女の子…だけどすぐにわかってしまった…このコは目が見えないんだ。
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