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双「……教室より…落ち着くから。」
『……ふ~ん。まっ確かに落ち着く♪』
グーッと背伸びをして背もたれに体重を預ける。
久しぶりに静かで落ち着いた空間に来れた…。
『といっても…これ出さなきゃいけないからウチ行くね。』
双「えっ…。」
『ほらテープとか捨ててくれって言われちゃったし。』
ほら とたくさんのカセットテープが入ったダンボールを見せると川上さんは椅子から立ち上がって持っていたダンボールをひったくった。
『へっ…?』
双「ダメっ!!」
『えぇ…?』
声を荒げた川上さんはカセットテープを大事に抱き締めて捨てるなと訴えられてしまったけど…そんな2005年の古いやつなんているのか?
『それ結構前の放送部のだろ?いらなくない?』
双「……ダメなんです。これがなきゃ…。」
さっきよりも寂しそうな目でカセットテープを見る川上さんは何を考えているのか…ウチにわかるわけがなかった。
続く
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