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ギュッと私の手を握った空の手は女の子なのに大きくて…ゴツゴツしてて…温かい。
翼「ありがとう…。」
『…あははっなんか恥ずかしいな。』
クシャッと音がしたから…多分髪を触って照れているんだ…。
『じゃあ帰ろっか。』
翼「うん。」
手はそのまま握り合って同じ歩幅で歩き出す。
手から感じる空の体温がとても心地よいからさっきまでの不安なんて消えていくのがわかった…。
翼「空、目になるってことはずっと一緒にいてくれるの?」
『当たり前でしょ?』
嬉しい…素直にそう思える。
目になる…そばにいる…それだけで私はもう不安になったりしない。
翼「空、ありがとう。」
『んっ。』
いつまでも…私の隣にいて…私の目になってくれると約束してくれた空に心の中で何度も ありがとう を言い続けた。
でも ありがとう をたくさん言った後の言葉はきっと届かない。
大好き…なんてね。
続く
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