不思議

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『付き合わせてごめんね。』 双「いえ…楽しかったです。でも…なんで?」 『ああ…あいつらウチの親父が院長してる病院で入院してる難病の子供たちなんだ。』 双「……。」 『たまにあいつらと遊んだりしてると嫌な気分も悩みも馬鹿らしく思える。あんな小さな体で病気を受け止めてるあのコたちを見ると癒されるんだ。』 双「だから私を…?」 『あいつらと遊んでた川上さんの笑顔凄く良かった。暗い気持ちも吹っ飛んだかな?』 孤侍医さんの想いと優しさが伝わってくる…なんでだろう? この気持ち……直澄くんと話したときと同じ心地良い感じ…。 『あっ…雨。』 双「…本当だ。」 ポツポツと降り注いだ雨が徐々に強くなりザァーと音が鳴り響く。 双「うわっ…。」 『わぁ~………とりまウチの家においで。駅まで遠いし傘ないでしょ?』 着ていたジャケットを私の肩にかけて家にお呼ばれされてしまう…確かになんか雷鳴りそうな勢いだし私はお言葉に甘えさせてもらうことにした。
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