不思議

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『それにしても川上さんってウチのこと怖くないの?』 双「えっ?」 『同クラだったら尚更噂とか聞いてんでしょっ?』 双「えっと…まぁ…でも…。」 『でも?』 双「……噂とは全然違う人だと想ってます…。」 正直な思いを告げれば孤侍医さんは嬉しそうな顔で そっか と囁いて首にかけてあったタオルでガシガシと頭を拭いていた。 双「………。」 『…………。』 静かな空間に流れるのは窓に叩かれてる雨の音だけ…でも気まずくもなくむしろ居心地が良いのが不思議だ。 『……雨止まないね。』 双「そうですね…。」 チラッと大きな窓から流れていく雨を見ていると音もなくピカッと光った瞬間私は恐怖した。 双「きゃっ…。」 『えっ…雷嫌い?』 双「はい…。」 ちょっとだけ震えてしまった腕をさすって落ち着かせるけど全く聞かない故に今度は音と共に雷が鳴り響く。 双「っ…。」 『……おいで。』
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