不思議

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怖くて耳を塞いでいる私に孤侍医さんは窓からちょっと離れたところに座って自分の隣をポンポンと叩く。 双「………。」 その手に誘われるように私はゆっくりと孤侍医さんに近付き隣に腰をかければお互いの体温が分かるほど近くなる。 ちょっとだけ触れあってる肩には細い割に筋肉がついてて…左耳にはたくさんはめられているピアスに整っている綺麗な横顔がはっきり見える。 『…なに?』 双「っ…いいえ。」 視線が気になったのか窓に向けていた顔をこっちに向けた瞬間想ったより近かったから慌てて視線を逸らす。 『雨上がんないしこんなんじゃ傘役に立たないからタクシー呼ぶか。』 そう言ってスマホを取り出し画面を見た瞬間孤侍医さんの眉間に皺が寄った。 双「どうしました?」 『あっ…なんか電波ない。』 双「うそっ…。」 床に置いてあった自分のスマホを取り出せば三本のアンテナが圏外と表示されている…。
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