止んだのに

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なるべく明るい声で話せば ごめんね とだけ告げて電話は途絶えてしまった。 翼「………。」 美「翼?」 翼「空用事出来ちゃったんだって。」 ギシッと音を立ててお姉ちゃんのベッドに腰を掛ける私の頭をポンポンと撫でてくれた。 美「今日はピアノお休みだしどっか遊びに行こっか。」 優しいお姉ちゃんの案に頭をコクリと頷かせて私達は支度をする。 翼「空に何が浮かんでる?」 美「大きな雲がたくさん。」 翼「他には?」 美「…雲で隠れてる太陽とか。」 ふーん… なんて返事をしながら空の方を見るけど見えるわけがなく私はただ人混みから聞こえる声や風の音を聞いていた。 ーマジでウケるんだけどっ!!ー ーあっ、あそこのクレープ屋さんだよっ!!行こっ。ー ーこの間のlineでさ~…。ー 楽しそうな声が聞こえてちょっと羨ましく思える。 私もこんな風に空とお話して笑い合いたいなぁ…。
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