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ほろほろと零れる光。
頬にあたる風は、春だというのにまだ冷たい。
眩しい陽光に目を細めながら、あたしは青い空を見上げた。
あの時もこんな日だったっけ。
暖かいと思って出かけたのに、随分風は冷たくて
薄着で出てきた自分を攻めながら
寒さを凌ぐために入った場所で
「翼……いい名前」
貴方と出会った。
ずいぶん時が経ったのに、昨日の事のように蘇る。
彼と過ごした時間は、あたしの中の大切な大切な記憶。
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