May

23/23
6748人が本棚に入れています
本棚に追加
/762ページ
「表面だけ繕っても、本質を理解していないと。そして俯瞰して見ないと。道を誤るよ」 「誤るって…私の今やっていることは、間違いだってことですか?」 「そうはいっていないけれど…」 「だ、大体、先輩があんなこと言わなければっ」 刺すような視線に思わず口をつぐむ。 私、地雷踏んだ? 「…家、どの辺?」 「あっ…、もう、この辺で大丈夫です。もう近いですから」 「…そう」 先輩はゆっくりと車を路肩に止める。 「あ…すみません、私…」 「じゃあ、気をつけて」 こちらを見ようともしない先輩に、続く言葉は出ず、私は静かに車を降りた。
/762ページ

最初のコメントを投稿しよう!