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プロジェクトは、いくつかの担当に分かれることになった。孝太と私は2人で渉外担当。社外を巻き込んだイベントなどを企画・実行する部隊だ。
さっそく2人で夕食を食べながら思案する。
「もうすぐ夏休みだろ。やっぱり、夏っぽいことしたいよな」
「そうそう…って、あっ、また目的を見失ってる」
「あー、そうだった」
カシカシと頭をかきながら、目を細める孝太。
「でも、成瀬はよく気付くよな。何ていうの、その、考え方みたいなの」
「あー、でもこれ、私も受け売りなんだよね」
「え、誰の?」
「んー、むかしお世話になった人」
木島先輩って、やっぱり言えないもんね。
会社の人にとっては、銀行の人は敵のままだ。
「それって…ま、いいや、考えようか」
「うん!」
孝太が見つめ続けていることも知らず、私はノートにペンを走らせていた。
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