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雨の日曜、深夜0時。
元々夜が早いこの街は、しっとりと静けさに包まれている。
ダイニングバー・ミリオンも例外ではなく、にぎやかだったのは数時間前まで。
今はカウンターに男が二人。
相手をするバーテンもマスター一人。
少し離れたテーブルには……時折、歓声を上げる女が二人。
「うっせーな、あいつら」
「まあまあ、仲が良いならいいことじゃない?宗也もいらん心配かけてたんだから、誤解が解けて良かったじゃん」
そう宥めるのはマスターの俊で、俺は顔を盛大にしかめる。
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