April … again

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雨が嫌になったのはいつからか。 雨は客足が遠のく。 つい、そう考えるのが習い性になっていたが……それがなくては花は咲かず、果実は実らない。 薄ら流れるBGMに耳を澄ませて、俺も目を閉じる。 遠く聞こえる美緒とカンナの笑い声。 俊がグラスを磨くキュッキュッという規則正しい音。 木島が氷をカランと鳴らす。 ああ……確かに、こんな夜も悪くないかもしれない。
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