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自分を落ち着けて、決心すると、俵の裏からそーっと頭を覗かせた。
「見ぃーつけたっ。」
「っ…!?
ひっ…ムグ!?」
目の前には大きな目玉が二つ。
そのあまりの近さと恐怖に声を上げようとすると、大きな手で塞がれて、いとも簡単に取り押さえられてしまった。
「あー駄目だ駄目だ。
騒ぎ立てんなよ。
主上、見つけたぞー。」
そういって連れて行かれる先には先ほどの百鬼夜行。
なんとか逃げ出さねば…!
「ムグっ…!
んぅ…!!」
「わーかったって!
落ち着け!
こら!
体がバラバラになっちまうだろ!?
俺らはなーんも危害を加えたりしねぇよ!」
そう言われても震えは止まらない。
私、死ぬん…?
そんなことを考え出した時だった。
「よくやった、がしゃどくろ。」
決して大きくはない、しかし凛としたよく通る声が耳に届いた。
声の方へ顔を向ける。
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