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それは4月4日のことであった
『この子の名前はアリオスにしよう』
赤ん坊はただ無邪気に泣いているだけだったのが名前をつけてもらうと笑顔になった
『よしよし、かわいい子だ』
アリオンは考えていた
妻のミリアはアリオスを生んでまもなくなくなったという。
もしこの子が母親に会いたいと言ったらなんと説明したらいいのだろうか?
アリオスはどんな顔をするだろうか?
きっと悲しむに違いない……
するとメイドが
『アリオン様、どうかしましたか?』
気づくとメイドがアリオンの様子を伺っていた
『いや。なんでもない。アリオスの世話を頼む、私はすこし一人になりたい』
アリオンは喜びと哀しみに包まれていた
バタンとドアを閉める音だけが響いた
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