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そう問う私をじっと見つめてくるその目は
まるで私を見透かしているようで
少し怖かった。
「…」
そして、彼は黙ったまま私のいるベッドの横の椅子にゆっくり座った。
それを合図にしたかのように 看護師さんは私のドアを閉めて病室を出て行く。
「……俺の名前は、西園寺透だ」
看護師さんが出ていったのを扉の閉まる音で確認して、彼はゆっくりと口を開いた
さっきとは違う 優しい目で。
だけど私はその中に切なさも隠れているような気もした。
「さいおんじ、とおる…?」
繰り返してみると、聞いたことあるような感じがするかもしれない
「ああ」
優しく わずかに笑う彼
彼は、誰なんだろう。
"私"と…知り合いなのかな
私が彼をじっと見ていると
「…俺がどんな人か知りたい と言う顔だな」
彼はそう言ってくすりと小さく笑った
「…///!」
な なんで解ったんだろう…!
というか私…子供扱いされてない…?
まあ15才だから仕方ないのかな
っていうか彼は何歳だろう
「…俺はな…」
うわぁぁ となってる私とは反対に、彼は静かに口を開いた。
その声に、私は違和感を覚え彼を見つめる。
「…昔…お前の父さんに命を救われたんだ」
「私の父さんに…ですか?」
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