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side千里 オレが仕えている主人は一ヶ瀬 緋月という完璧人間だ。 容姿が良ければ頭も良い。 オマケにスポーツ万能。 対してオレは、 どこにでもいる平凡。 強いて特技を挙げれば料理が出来るというくらい。 けれど、 オレと一ヶ瀬の主従関係は案外上手くいっていた。 主人クラスの生徒は執事クラスの生徒から一人選んで学園生活での執事を決めるのだが、 なぜ一ヶ瀬が平凡なオレなんかを執事に選んだのか聞いたところ 「俺の顔だけ見てキャーキャー騒いでる奴らより    平凡なお前のほうがまだまし」 との、事だった。 他の主従達のようにお互いが一番大切というわけでは無いが、 オレ達はオレ達で居心地の良い時間を過ごしてきた。 ―――あの、転校生が来るまでは・・・。
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