真実の愛の探し方

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「おはようございます」 朝が来る、また一日が始まる、睡眠時間三時間頭が重い、昨日見たいなしつこい相手は苦手だ。 「今日も美人だ先生おはようございます」 朝一で神田に会うのはかなりウザイ。 「神田くん、朝から君の冗談に付き合う元気は私には無いんだ」 「先生のそんなところも俺好きだよ」 気分が悪い、朝一からあの調子だと特にそうだ。 好きとかよく朝から言える、簡単に、それが当然かの様に、俺からしてはそれは無意味な言葉で何も感じない。 「小テストを始める」 気分が悪い日はこれが一番楽だ、教えなくてすむし、静かだ。 「前教えた場所だ、復習が出来て居れば簡単だ」 同性愛者である事に不満を抱いた事が無い、親に悪いとは思う、孫を抱かせてやれないし、結婚だって考えてない、好きでも無い相手と結婚なんて相手にも悪いだろ。 「先生、起きて下さい、チャイム鳴りましたよ」 神田が俺を起こした、次が体育だから教室には神田と俺しか居ない。 「悪い、寝てたか」 「別に先生の可愛い寝顔見れたし」 また、この冗談、神田は男の俺から見てもカッコいいから女の子にモテるだろうに。 「冗談を言って無いで早く校庭に行きなさい」 こいつに言われる度に自分が凄く汚い人間思えてくる、真っ直ぐに俺を見るからだろう、全て見透かされてる感じがするから。 「溜り溜った仕事」 あいつに見られて、好きだとか、言われて緊張とかしてる自分が恥ずかしくて、そんなの本当の自分じゃないから。 「今夜も行くかな」 考えるだけで疲れるから、考えないために一時の快楽を求めてしまう。 「本当に毎日ね、一人に決めたら?」 「一人に決めない事知ってるだろ」 一人には絞らない、落ちるのが怖い、落ちてしまう自分が嫌だ。 ただの臆病者なんだ、それくらい自分でも理解してるし、それで良いとおもってる。 「今夜は一人?」 「あんたが相手してくれるなら一人じゃないけど?」 だから一晩の相手が欲しい、頭が真っ白になるくらいに激しく俺を抱く相手が。 「悪いけど、この人俺が先約だから」 神田、俺の手首を掴んで決まりかけた相手から離れる、何の嫌がらせなんだ。 「離せ!何でお前が居るんだ!」 苛立つ、プライベート時間までこいつに潰された、せっかく今日の相手が決まる所で邪魔されて。 「先生がここに居るのは知ってた毎晩違う相手としてる事も」 「お前が相手にしてくれるのか?俺の今日の相手」
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