プロローグ

3/3
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ
こんな毎日を過ごす位ならこの街にいる意味なんて何もない。 仕事も辞めて、友人も捨てて楽になりたいよ。 死ぬわけじゃないよ、もっと生きている証拠が欲しいんだ。 起承転結なんて分かりきった人生なんてもう十分味わった。大部分の人がそうなんだろうけど、僕は耐えられない。心が乾いているって表現があるでしょ?あれは正しいよ。 今だけの事かも知れないしこれからもずっとかも・・・・。 キミに助けを求めているわけじゃないんだ、誰かに話して少し楽になりたかったんだ。 でも結局は自分にどこまで満足できるかだからね。 自分を変えることは難しくない、ただ長い時間を掛ける必要があることもあるし、誰だって楽をしたい。 だから自分が変わる前に投げ出してしまうんだ。 結局は自分をそこに留めたのは自分なんだよね。 だから誰も攻める事なんて出来ない、もし誰かを攻めるとなればそれは僕自身しかない。 自分自身に言い聞かせる様にメールに書いていた。 その日はベッドに入らずリビングでいつの間にか眠っていた。 朝になりいつもの時間に目覚ましがなり携帯電話で時間を確認すると、昨日書いていたメールが送信済みになっていた。 「あれ?送信先には何も入れていなかったよな・・・・」 昨日は確かに酒を飲んではいたが我を忘れるほどでもなかったし、メールを作成していたことも覚えている。 しかもちゃんと送れているにしろ送れていないにしろ、そのどちらのフォルダにもメールがなかった。 夢かとも思ったが携帯の画面には「送信されました」の文字があり誰かにメールが送られたのは間違いない。 肝心のメールだけがどこにもなかった。
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!