4人が本棚に入れています
本棚に追加
あれは、いつもの昼休み。
俺と麻友が愛読中の、
マニアックなマンガの最新刊が出てたから、
麻友のところへ行こうと漫画を持って立ち上がった時だった。
「…あ、それ」
と、小さな声が聞こえた。
見ると、あのかわいー麻友の友達が、
俺の持つ漫画を見て言った。
「篠原くんも、それ読んでるんだ?」
「え…、市原も読むの?」
予想外すぎて、俺は思わずそう訊いていた。
美佳は、いかにも女子って感じのする子だったから、
てっきり少女マンガとかしか読まないのかと…、そう、思っていた。
「読んでるよ?
あたしコミックスで読む人なんだけど、
まだ買ってないんだよね。
…貸してくれないかな?」
そう言われた時、戸惑う自分がいなかったのはなぜだろう?
俺は素直にマンガを渡した。
そして、美佳の笑顔を見ていたら、
麻友のところに行くことなど忘れてしまっていた。
最初のコメントを投稿しよう!