迷子の僕に。

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夜の街は、暗闇と、建物から放たれる強い光のギャップが目に刺さる。 視界に入る色がうるさい。 俺は、君のいない場所を探して歩いていた。 でも、なかなか見つからないんだ。 静かな公園も、真っ暗な通学路も、 ああ、このお店も、ふたりで来たよね…? やがて、目に刺さる光がしだいに強くなっていく。 住宅街を出て、街に出たのだ。   俺は、目を細める。 ビルの合間を抜けて、たどりついた。   ――ああ、ここだ。   ここが、君がいなくなった場所。 君が、どこにも見当たらないや…。 俺は、その場所で、ひとり夜空を見上げた。  
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