迷子の僕に。

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ふと、あたしは足を止める。 あたしの目の前には、一軒のおしゃれな家があった。 優くんの家だ。 今は登校時間だというのに、優くんの家は眠ってるみたいに静かだった。 きっとまだ、優くんは本当に眠っている。 “あの日から”、優くんは夢の中にいるのだ。まだ目は覚まさない。 ずっと優くんは、美佳のいる世界にいる。 無力なあたしには、優くんの目を覚ましてあげることなんてできない。 ただあたしにできるのは、そばで優くんを見守ってあげることだけだ。 本当は、早く気づいてほしいんだけど…
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