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次に剛が目覚めたのは病院の白いベッドの上だった
青空の次は真っ白な天井か…、などと思う暇なく病室に居た家族達の対応に剛はまた意識を飛ばしたくなった
家族が落ち着いたあと、医者からの検査を受け異常が無いことを確認すると一応の為、ともう一日と入院を勧められた
剛は断ったが妹の忍ちゃんと弟の力くんが涙目で入院するように言うもんだから、渋々と了承してしまい今も白い清潔感のあるベッドの中に居る
どうやら僕は三日間眠りっぱなしだったらしい。起きてそうそうに冷夜兄さんに「修行がたりんぞっ!」なんて言われ走らされそうになるし、忍ちゃんと力くんは大泣きしながら抱きついてくるし、散々だった…
てか、車に跳ねられて三日間で起きたんだから寧ろ褒めてほしいんだけど
そんな風に騒いでいた家族は既に帰り、病院は消灯時間を過ぎている
僕の病室は多分静香さんの計らいなんだろうな。個室なっている
「はぁ~、なんで個室なんだよ…生きた人が居れば安心出来るのに」
普通の人達にはわからないだろうけど、病院ってのはやたらと霊が出てくるんだよ…まあ、悪霊とか怨霊は少ないからいいんだけどさ、寝れないんだよ!
しんと静まり返った病室で剛は一人小さな溜め息をこぼす
《お前、幽霊怖いとかガキかよ》
「!?」
剛が眠れずに布団に寝っ転がり天井を眺めていると自分の声より明らかに低い声の男の声が聞こえてき、慌てて体を起こす
普段ならば関わらずに無視するが今回はそうもいかなかった
何故ならその声は自分の中から聞こえてきたからだ
「お、お前誰だよ……」
自分から聞こえてくる声。何故そんな所から聞こえてくるのか…
《俺か?俺は幽霊だ!》
自分のお腹辺りから全く見たことのない、柄の悪い男のドヤ顔が出てきた
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