0人が本棚に入れています
本棚に追加
私達はいつの間にか、気付かないうちにコドモからオトナになって、綺麗な嘘や汚い嘘を口に出来るほどにいろんな痛みを覚え、いろんな体験をしてきた。
一口にオトナと言っても、体はまだコドモの中学生だ。
けど、それでもココロは発達して痛い。
そっと窓を見る。夕暮れの綺麗な赤が目に染みて、涙が出てしまいそうだ。
こんな気持ちが私の中に留まるのならば、いっその事、私の中の君を溶かしてしまえればいいのに。
私の見えない体中は傷跡で溢れている。前に進もうとしても激痛が走り、立ち止まってしまう。我慢すらできない痛み。私はもう、前に進めないよ。
ねぇ、私の傷も私の中の君も消えて。消してよ自分。
そう願っていたのに…どうしてこんなにきつく君は私を抱きしめてるの?
君の声が遠くなる。
飲み込まれそうな赤。さっきの綺麗な赤とは違う赤。
きっとこのまま君を溶かして夜になるだけなんだろうか?
最初のコメントを投稿しよう!