1

5/10
前へ
/386ページ
次へ
夜の7時を過ぎると、アルバイト先のコンビニは一気に混み始めた。 今日は金曜日。 仕事を終えたサラリーマンやOLの顔色が、いつもより明るく見える。 カップルの姿も多い。 これから、デートなのか?それとも、同じ家へ帰っていくのだろうか…。 みんな、どんな週末を過ごすのだろう。 レジを打ちながら、あたしはぼんやり思う。 隆也の恋人は、もう仕事を終えただろうか? 彼のために、どんな夕食を作るのだろう? 訪ねたこともない隆也のアパート。 会ったこともない隆也の恋人。 あたしの知らない隆也の生活。 それらを想像して、あたしは、激しい嫉妬にかられた。
/386ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1259人が本棚に入れています
本棚に追加