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俺は寝ていた、ベッドみたいに柔らかくはないがとても暖かい・・・・
いや暖かいなんてもんじゃなく正直熱い・・・・
俺がどこにいるかって?
蒸し暑いコンクリートの上だよ・・・・
せっかくバイトもなく家でダラダラしてたのに、ビールがないのに気づいてコンビニに買いに行った結果がこれだよ、こんちくしょう・・・・
てか、裏路地から猛スピードのダンプ出てくるか普通?
確かにガンダムの広告見つけて見とれていた俺の不注意もあっただろうが・・・・
だが、非はぜったに向こうにある・・・・
さっきまでうっすらと聞こえていた人の話し声はもう聞こえず、あんなに熱かったコンクリートの感覚さへ感じることもできなくなっていた・・・・
唯一見えているのはビルに掲げられたガンダムの姿だけだが次第にそれすらも見えなくなっていった・・・・
死ぬということをこんなにも如実に感じることになるとは思ってもみなかった。
笑っているつもりだったが、現実はぐちゃぐちゃに変形した顔がすこし引き攣いただけだろう。
それすらも感じ取れなくなった時には、もう俺の意識は飛んでいた・・・・
死の恐怖すら感じることもできぬまま・・・・
次に目が覚めたとき周りは暗闇だった。
いつも感じていた暗いだけの暗闇ではなく、無と言ってふさわしい場所 空間だった
自身の体さえもわからないようなこの無の空間であったが体に何かが触れている感覚だけは感じとれた・・・・
それは暖かく人の手のような感覚だった。その感覚に身を委ねながらもう一度意識を手放した・・・・
また次に目が覚めた時に俺が目にしたのは白い天井だった。
最初は病院かとも思ったが違った。
なぜかって?俺の目の前に女の顔があったからだ。
日本人らしい綺麗な顔つきで、かなり疲れた様子だったがとても嬉しそうな表情をしていた。
その口が動いているのがわかったが何を行っているのかは聞こえなかった。
こっちも見返すと、その額に汗がびっしり付着しているのが見え、手を伸ばそうと思い手を伸ばしたが届かなかった、自分の手をみてみるとなぜか異様に小さくしかもしわくちゃになっていた。
それを見た直後頭の中が真っ白になり、再び思考が戻った時には絶叫していた、しかし傍から見れば赤ん坊が母親の腕の中で激しく泣いているようにしか見えなかっただろう
これが俺、古代 仁が「ジン・ナカジマ」として経験する二度目の人生の始まりだった
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